日時:令和6年12月13日(金) 10:00~
場所:ヨシダ工業株式会社
講師:ヨシダ工業株式会社 代表取締役社長 吉田 俊一氏
テーマ『ヨシダが大切にする5つの「人」』
今回ヨシダ工業株式会社を視察し、まず社員全員の方がしっかりおもてなしの精神を持っていると感じました。工場敷地内にバスで入るときには既に社員数名が待機してお出迎え、駐車場案内、工場見学の際にはどの社員も作業の手を一度止めて私たちの方を向いて挨拶をするなど、社員教育の質の高さが見受けられました。また、近年福利厚生に力を入れていると聞き、社員食堂(ヨシダ飯)の充実、誕生日プレゼントを社長自ら手渡し、社員と直接話す機会を設けるなど様々な取組がありました。そしてただ漠然と福利厚生を行っているのではなく、しっかり取り組み内容を社内報や掲示板で全社員に共有することで、取組を当たり前と思わず会社への感謝の気持ちを持って仕事に励んでいる社風を感じました。
私は出身が鯖江市であり、ヨシダ工業株式会社は幼い頃から存じているが、主な業種はチタン加工技術を活かした眼鏡フレームを作っているというイメージがありました。しかし、吉田社長の講話で現在の業種別売上シェアについて触れており、その中で眼鏡フレームは全体の11%ほどしかありませんでした。売上シェアの80%を占めていたのは医療分野であり、医療機器の加工を始めたのは平成3年と眼鏡フレームがまだまだ全盛期の頃であったと聞き疑問を感じました。始めたきっかけは他社からの依頼で自ら取りに行った仕事ではなかったものの、「とにかく一度やってみるか」の精神で仕事を受けた結果、今では会社を支える大きな柱となっているそうです。全盛期の時に異業種展開を決意した経営陣の先見の明にも恐れ入るが、当時から会社を信頼してついていった社員も相当の覚悟があり、会社の理念がしっかり浸透しているからこその結果だと思いました。
今回福井県内の優良企業を2社見学して感じたことは、福井県のものづくり技術の素晴らしさだけでなく、繊維や眼鏡のように会社数が数多くある厳しい業界で生き残れるのは「ヒト」を大事にする会社だということである。
視察後の懇親会では愛知県の三幸土木株式会社の社長とお話しする機会があり、建設業界の中でいち早く健康経営の認定を取得しており、ホワイト企業とモーレツ企業をかけ合わせたプラチナ企業を目指す思いや施策をお聞きしました。しかし、大事にしていることはそのような取組を社員が当たり前に思わないように工夫することだと仰っており、またそれと同時に取組を当たり前に思わせないことがいかに難しいことかを他社事例を聞くことで改めて理解することができました。
今回の視察を踏まえ、今後自社で実行していきたいことは自社が「ヒト」をいかに大切にしているかを自社社員に伝えるための取組であると思います。先日読んだ松下幸之助著の本で、「新入社員の初めての仕事は会社を好きになること」と書かれていたことが印象的であり、それがエンゲージメント維持や社員の転職的離職率の低下につながる秘訣だと感じました。社内掲示物を刷新したりなど広報担当者と協力して当社の取組を今以上に社員に浸透させ、取組を当たり前と思わせないと同時に当社をより好きになる社員を増やし、社員と当社双方の幸福度を高めていきたいです。

