「株式会社テクノア様」視察レポート
日付:令和5年4月20日(木)
中小製造業向けを中心に、医療機関向け、カスタムECサイト向けなどの各種パッケージソフトウェアを提供すると共に、業務用ソフトウェアの受託開発や、IT経営コンサルティングサービスなども行っており、開発から販売、運用支援、サポートまでを自社で一貫して行う事で、お客様のDX実現に向けたサポートをしている株式会社テクノアを訪問した。
自社商品を販売するだけでなく、お客様のITスキル、ビジネススキル向上の為の無料研修や企業コンサルティングサービス等、他社と一線を画した自性のビジネスモデルを構築する事で、参入障壁が低いとされるIT業界において他者が真似できない模倣困難性を実現し、上記の分野でのトップシェアを揺るぎないものとしている。
また、以前は売上の大部分を販売店に頼っていたが、リーマンショックを機に直販へと転換したことで、現在では売上の大部分(約80%)が直販となり、他に頼らなくとも経営できる強い企業へと変化している。近年は、自社が「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞での「審査員特別賞」受賞や「グッドカンパニー大賞」での「グランプリ」受賞など数々の賞を受賞しているだけでなく、テクノアのソフトを導入したユーザー企業の数多くが様々な賞を受賞するまでに至っている。
テクノアに到着し、玄関に入った瞬間に目に飛び込んできたウェルカムボードにいきなり驚かされ、経営理念の「縁があった企業や人々を大切にする」を実践している事に早速気付かされ,壁に貼られていたサンクスカードやお客様の声から、社員同士のコミュニケーションの良さやお客様からの信頼度の高さを伺い知る事ができた。
社長の山崎氏からの会社説明の際に、「IT企業だからこそアナログを大切にしている」や「オンラインの時代だからこそオフラインを重視し、社員間の繋がりを大切にしている」など、一見すると時代に逆行している様に思われる経営の中に、人(社員)を大切にする経営を実践している企業の秘密が隠されているように思われた。
具体的な取り組みとしては、社員を税金のかからない資産(社員に蓄積された知識、経験、ノウハウ)と定義し、資産の流出が起こらないための様々な仕組み(教育、福利厚生など)を次々と取り入れている。その他にも、新卒・中途採用の為の説明会や面接、入社後の理念教育まで社長自らが行う姿勢からも、社長の人財育成に対する強い意志(本気度)を感じ、本当の意味での「社員を大切にする経営」、「社員に優しい経営」とは何なのかについて改めて考えさせられた。
「いい会社になろうと思ってもなれないかもしれないが、いい会社になろうと思わなければ絶対になれない」という社長の言葉が心に響いた。
最後に、今回訪問した3社全てで感じたことは、社員に笑顔が溢れ楽しそうに仕事をしていた事だ。社員が楽しく仕事をしているからこそ、お客様に素晴らしい商品やサービスをお届けする事ができ、お客様満足が高まり、その結果として社員のやりがい(社員満足度)や企業価値が高まるというプラスのスパイラルが永続していく仕組みが出来上がっているように思われた。
今回の企業訪問を通じて、坂本先生が提唱される「五方よし」の経営のなかで最も大切にすべき一番目の「社員、その家族」を幸せにする事の大切さを再認識させられた。