日時:令和8年6月10日(水)14:00~
場所:Cafe Hanamori 福井医大前店
講師:明和工業株式会社 代表取締役 土本 謙吾 氏
講演テーマ:「選ばれる人、企業、地域をつくる」

【概要】
本研修は、福井県の土木・建設業者である明和工業株式会社が、赤字経営の危機をいかにして乗り越え、持続可能な成長企業へと変貌を遂げたかについて学ぶものでした。
同社は、土木業界の有効求人倍率が8.98倍という極めて深刻な人材不足の中にありながら、「自然災害が怖くない社会を創る」というヴィジョンを掲げ、「採用・育成・成長フィールド」の構築を経営の柱としています。倒産寸前の状況から、数字の管理とデジタル活用、そして社員の満足度を起点とした経営再建の軌跡が詳しく紹介されました。
【重点ポイント】
• 負のスパイラルの打破と数字による現状把握
かつての「安さ優先」による品質低下、クレーム増加、評判悪化という負のスパイラルを断ち切るため、中小企業再生支援協議会を通じて「数字の見方」を徹底。自社の問題点を数値で明確化し、付加価値の提供へ舵を切ったこと。
• デジタルツールの活用による現場支援(DX)
ChatworkやSalesforceといったITツールを導入し、現場の状況をリアルタイムに共有。さらにMetaLife(バーチャルオフィス)を活用することで、事務所から現場を「遠隔応援」する体制を構築し、現場の負担軽減と組織の一体感を醸成していること。
• 「選べる」ことを重視した福利厚生の再設計
「使われない制度は意味がない」という考えのもと、社員のニーズに合わせて選択可能な福利厚生を整備。一流の体験付与(15万円相当)、衣服補助、防災グッズ補助など、実用性の高い制度を通じて社員の自己肯定感を高め、結果として顧客満足度(ISOの本質)の向上に繋げていること。
【感想】
深刻な人手不足が叫ばれる建設業界において、精神論に頼るのではなく、ITツールの活用や数値管理といった「仕組み」で課題を解決している姿勢に強く感銘を受けました。その中においても「組織は人である」という信念が確実に実践されており、特にデジタル化については、単なる効率化の手段としてだけでなく、「現場を孤独にさせない」「社員の負担を軽くする」という目的が明確であり、導入の意義が非常に高いと感じました。
また、福利厚生についても「会社が一方的に与える」のではなく、社員一人ひとりの状況に合わせて「選べる」ように設計されている点が、今の時代に即した組織づくりの肝であると学びました。
今回の研修を通じて、企業の誇りを再定義し、それを具体的な制度やツールに落とし込む重要性を再認識いたしました。学んだ内容を今後の自社の環境整備や業務改善にも活かしていきたいと考えます。
